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Shizen Flow開発ストーリー

なぜ、光で起こす時計を作ったのか。

より人間本来の生活リズムを。そのカギは光でした。

人間は何万年もの間、太陽とともに目覚めてきた。

夜明けとともに光が差し込み、体が自然に覚醒する。日が沈むと、暖かい炎の色が眠気を誘う。電気もスマホもアラームも、何もなかった時代。それでも人間は、ちゃんと起きて、ちゃんと眠っていた。

それが、人間本来のリズムだった。


現代人は、光を間違えている。

スマホが普及して、何かが変わった。寝る直前まで画面を見る。枕元に置いたまま眠る。深夜に通知が届く。眠れない夜、つい手が伸びる。朝はアラームに叩き起こされ、心臓を鳴らしながら一日が始まる。

それを「仕方ない」と思って、何年も続けている。

でも体は正直だ。何万年もかけて太陽に合わせてきた体内時計は、人工の光とアラームの音に、静かに、確実に、狂わされている。疲れが取れない。朝がつらい。集中できない。その原因の一部は、眠り方と起き方にある。


30年間、時計を作り続けてきた私たちが気づいたこと。

アデッソは創業以来、何百という時計を作ってきた。でもずっと、引っかかっていることがあった。時計は「時刻を知らせる道具」として進化してきた。なのに人間の体は、時刻ではなく光でリズムを刻んでいる。

なのになぜ、突然大きな音で「起きろ」と命じるのか。

体内時計の仕組みから逆算して、朝と夜の光を一から作り直す。そんな商品を作れないかと思った。


睡眠の権威との出会い

睡眠の科学を、正面から学ぼうと思った。日本でトップクラスの睡眠研究機関、筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)。その副機構長、櫻井武教授のもとを訪ねた。

商品を売り込みに行ったわけではない。ただ、「人間の体が本当に必要としている光とは何か」を、正直に聞きに行った。

その対話が、Shizen Flowの設計を根本から変えることになった。


科学が、証明していたこと。

櫻井教授はこう話した。
「体内時計は常に光を使って時刻合わせをしてるんですね。文明なんかなかった時代は日の出とともに目に光が入ってくるので、そこで時刻合わせをするんですよ。」

つまり、体はずっと昔から太陽を待っている。それだけのことだった。

スマホについて聞くと、教授の言葉に少し熱が入った。

「ベッドでスマホを見ているなんて生物学上本当にありえない。」

言い切った。「よくない」でも「避けてほしい」でもなく、「ありえない」と。その強さが、私たちの背中を押した。

そして最後に、こんな言葉をもらった。

「時間すらスマホで確認する時代なので、時計がいらなくなっちゃってる。そういう時代だからこそ、時計は何か助けになるかもしれないですよね。」

時計が、人間本来のリズムを守る道具になれる。その確信を持って、私たちの開発は始まった。


理想の光を、追い求めた。

開発で一番時間をかけたのは、光の色だった。

朝の光は何ケルビンか。夜の光は何ケルビンか。どのくらいの明るさが必要か。正解のない問いを、何度も繰り返した。

参考にしたのは太陽だった。夜明けの光はオレンジがかった暖色で、徐々に白く、青みを帯びていく。夕暮れはまた暖色に戻る。その変化を、製品の中に再現しようとした。

何十種類もの光を試した。色温度が少し違うだけで、目覚めの感覚がまるで変わる。

最終的に辿り着いたのが、2つの数字だった。

朝は5500K。晴れた日の午前中の太陽光に近い色温度。セロトニンの分泌を促し、体内時計を「今日が始まった」とリセットする。

夜は2200K。ロウソクや夕暮れのような光。メラトニンの分泌を妨げず、体に「夜だ」と伝える色温度だ。眠る前にナイトライトを灯して本を読んだり、家族と語らったり。川のせせらぎや焚き火の音を流せば、副交感神経が働き、心まで静かに落ち着いていく。

「眠れない夜」が「眠りに誘われる夜」へと変わる。その積み重ねが、翌朝の爽快な目覚めをつくる。

すべては睡眠研究や光生理学の知見に基づいて設計されている。


スマホを、寝室から追い出したかった。

多くの人がスマホを枕元に置いて眠る理由は、アラームのためだ。でもその結果、深夜の通知に眠りを妨げられ、画面の光が体内時計を狂わせ、朝起きてすぐに情報の濁流に飲み込まれる。

テクノロジーは便利だ。でも、寝室まで持ち込む必要はない。

Shizen Flowはアラームも、時計も、サウンドも、すべてひとつに。スマホを寝室から出しても、何も困らない。それどころか、眠りが変わる。朝が変わる。


「Shizen Flow」という名前に込めた想い。

Shizen(自然)——人間が本来持つ、太陽と眠りのリズム。
Flow(流れ)——朝と夜をつなぐ、ひと続きの時間。

人間はもともと、太陽の光に起こされ、夜明けとともに目を覚まし、日が沈めば眠りにつく生き物だった。しかし現代では、街の光やスマホのブルーライトに囲まれ、本来のリズムを失いがちだ。

Shizen Flowという名前には、そんな自然なリズムを暮らしに取り戻すという願いが込められている。

私たちアデッソは、30年以上「目覚め」と向き合ってきた。けれど、日本人の課題は「朝の目覚め」だけではない。眠りが変われば、毎日がもっとアクティブに。元気に働き、しっかり遊ぶ。そんな新しい自分を、Shizen Flowと共に。


光が、部屋を変える。

アラームが鳴る30分前。Shizen Flowは静かに光り始める。最初はほんのわずか。部屋の闇の中に、小さな光の種が芽吹くように。それが少しずつ広がり、サイドテーブルを照らし、白い天井に反射し、やがて部屋全体が朝の色に染まっていく。

音が鳴る頃には、体はもう半分目覚めている。

驚かない。焦らない。ただ、自然に、今日が始まる。人間が何万年もそうしてきたように。


眠りと目覚めを、もう少し丁寧に。

テクノロジーに奪われた、人間本来のリズムを、取り戻すために。そんな願いからSHIZEN FLOWは生まれました。

30年間、時計を作り続けてきた私たちが、本気で作った一台です。